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BLOGむし歯や歯周病といった口腔トラブルで奥歯を失くした場合、これまでは義歯やブリッジで補うのが一般的でした。しかし近年は、インプラントを選択する方が増えています。違和感や噛みにくさなど、従来の補綴治療にあったデメリットを解消してくれるのが、まさにこの治療です。
今回は奥歯のインプラントについて、ほかの補綴方法との違いとともに解説します。
まずは、治療時と治療後における注意点をそれぞれ解説します。
何より重要なのは、事前のカウンセリングをきっちりと受けることです。独断で治療をするのではなく、患者の悩みや質問に丁寧に答えながら話を進めてくれる歯科医師のもとで治療を受けましょう。
とくに糖尿病や貧血、心疾患や骨粗しょう症などの既往歴がある方は要注意です。症状や服用中の薬の種類によっては、すぐに治療へ移行できないことがあるためです。喫煙習慣も、治療を左右する要因となりうるので注意してください。
もう一点、歯科医院の衛生管理や検査体制も大切なポイントです。インプラントは外科手術を伴うため、治療前にはCT検査が欠かせません。血管や神経の位置を把握しておかなければ、手術中に傷付けて感染を起こすリスクがあるためです。
もちろん、それと同時に歯科医師の高い技術も必要不可欠です。医療器具や検査の体制が整っており、かつ高い技術と豊富な経験を持った歯科医師を見つけましょう。
治療後に注意すべきなのが「インプラント周囲炎」です。症状が歯周病に類似しており、はじめは埋入したインプラントの周りの粘膜が炎症・出血を起こします。
腫れが進行するにつれて粘膜との隙間が深くなり、粘膜から膿が出て、やがてインプラントが脱落するでしょう。一般的な歯周病に比べて、進行速度が速いという特徴が見られます。
インプラント周囲炎は、歯垢(プラーク)や歯石に加えて歯ぎしりも原因となり得ます。日々のブラッシングを徹底しつつ、定期健診を受けてプロによるクリーニングを受けましょう。悪習癖やインプラントの以上の有無を、定期的に確認してもらうことが大切です。
ほかの選択肢として挙げられるのが「義歯」と「ブリッジ」の2種類です。
それぞれの特徴を紹介します。
欠損部分に人工歯を補う治療です。土台を埋め込むわけではないので、残存歯にバネを掛けて人工歯を支えなければなりません。原則としてどの位置の歯にも対応でき、保険適用で治療できる点がメリットです。また患者さま自身で着脱可能なので、比較的容易にメンテナンスができます。
一方で義歯には、独特の締め付け感があるので生活しづらいと感じることがあります。また天然歯の2~3割程度しか噛めないため、うまく適合しないと痛んだり外れたりするでしょう。さらに義歯の場合は、顎骨へうまく刺激を与えられません。その結果、骨が徐々にやせて口元の印象が少しずつ変化していきます。
その名の通り、欠損部分の両端の歯を土台として「橋のように」歯を掛ける方法です。最奥の歯を失くした場合、奥に土台がないのでブリッジは選択できません。義歯に比べて安定感があり、噛み心地に違和感が生じにくいという利点があります。また材質によっては、保険適用で治療できるでしょう。
ただブリッジは、土台となる歯に大きな負担をかけます。まず治療の段階で、土台となる歯を削る必要があり、細菌感染のリスクが少なからず生じるでしょう。健康な歯を削るということに、抵抗がある方もいらっしゃるはずです。また過ごしているうちに土台へ力がかかって痛みが出たり、構造上どうしても生じる隙間が口腔トラブルを引き起こしたりするというデメリットも挙げられます。
奥歯と前歯とでは、治療にどのような違いがあるのでしょうか。
答えはズバリ「治療の難易度」です。
前歯の顎骨は骨量が少ないため、埋め込んだインプラントが定着しにくいという難点を抱えています。もし骨量が不足している場合は、骨造成術などで骨を増やす処置が必要です。
そのため一般的には、奥歯に比べて難易度が高いといえるでしょう。
インプラントはさまざまな点に優れた補綴治療ですが、中には適用できない症例もあります。
代表的なものとして挙げられるのが、骨粗しょう症などによる顎骨のもろさの問題です。埋入しても固定できないため、治療を断念せざるを得ません。また服用できる薬が限られる妊婦や、骨格が未完成の子どもも治療が困難です。
さらに糖尿病や貧血、心疾患などの既往歴がある方もすぐに治療できない可能性があります。内科のかかりつけ医と連携し、適切なタイミングで治療を始める運びとなるでしょう。
インプラントが定着しにくく、インプラント周囲炎を起こすリスクが高いとされる、喫煙習慣のある方も要注意です。事前のカウンセリングで正直に話し、今後どのような計画で治療を進めていくのか歯科医師と話し合いましょう。
奥歯の補綴治療について、挙げられる選択肢や注意点を紹介しました。
次回は、インプラントのメリットとデメリットを中心に解説します。ぜひご覧ください。
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