インプラント治療中の歯がない期間の対応方法！期間中の注意点を解説

単冠インプラントの場合は2ヶ月から6ヶ月が目安

単冠インプラントの場合、一般的には下顎で2〜3ヶ月、上顎で4〜6ヶ月が目安とされています。

ただし、骨造成などの追加処置が必要な場合は、さらに期間が長くなるケースも珍しくありません。

この期間はインプラント治療の成功を左右するため、日常生活のなかで無理に負荷をかけないよう注意が必要です。

オールオンフォー（All-on-4）の場合は即日仮歯が入る

オールオンフォー（All-on-4）の場合、基本的に歯がない期間はありません。

治療自体が終わるわけではないものの、治療当日に仮歯を入れられます。

治療当日から仮歯が装着されることによって、食事など日常生活への負担の少なさがメリットです。

仮歯の特徴と役割

仮歯はインプラントの手術後に、インプラント体が骨と結合するまで、人工歯を製作するまでの期間に、審美性や咀嚼機能を一時的に補うために使用されます。

素材はレジン（歯科用プラスチック）で作られるケースが多く、見た目を自然に保ちつつも、軽度の咀嚼を可能にしてくれる特徴があります。

また、歯茎の形態を維持したり、周囲の歯が移動するのを防いだりする役割も果たします。

特に前歯など目立つ部分の欠損に対しては、見た目を気にする方にとって、精神的な負担を軽減するうえで有効な手段です。

入れ歯の特徴と役割

入れ歯は複数の歯を失ったり、欠損が広範囲にあったりする場合に、一時的な咀嚼機能や審美性を補うために使用される補綴物です。

インプラント治療中の歯がない期間でも、用いられる場合があります。

仮歯と異なるのは、取り外しが可能な点です。

加えて、広範囲の欠損に対応できます。

また、食事の際に食べ物を噛む補助ができるほか、発音の改善に役立ちます。歯がない期間に人前で口を開けることへの抵抗感を軽減する効果を期待できるでしょう。

自然な見た目を維持できる

インプラント治療で歯がない期間は、仮歯や入れ歯を使用すると、見た目のコンプレックスを軽減できます。

特に前歯がない状態は、精神的な負担となる可能性があります。ストレスを抱え込むと、笑顔が消えるだけでなく、自然な見た目の維持が困難です。

しかし、歯がない期間に仮歯や入れ歯を使用すれば、見た目に対する不安を軽減できます。人工歯はいずれも、周囲の歯の色や形に合わせて作られるため、治療中だと周囲に気づかれにくいです。

これにより、人前で話したり笑ったりすることへの抵抗感が和らぎます。

しゃべりにくさを軽減する

インプラント治療中の歯がない期間では、サ行やタ行などの発音に影響が出やすく、しゃべりにくさを感じる場合があります。

一方、仮歯や入れ歯を装着すると、失われた歯の空間を補えるため、正しい発音を取り戻せるほか、会話の際のストレスを軽減できます。

これは、仕事やプライベートでのコミュニケーションにおいて欠かせない要素です。

歯並びや噛み合わせへの影響を防ぐ

インプラント治療中に歯がない状態が長く続くと、周囲の歯が空いたスペースに傾いたり、移動したりする可能性があります。

これにより、歯並びや噛み合わせが変化するため、インプラントの設置に影響を与えやすいです。

しかし、仮歯や入れ歯を装着すれば、このスペースを維持し、周囲の歯の移動を防げます。治療後の安定した噛み合わせを保てるため、長期的な口腔内の健康につながるでしょう。

治療後の痛みを軽減する

インプラント手術後の治癒期間中に仮歯や入れ歯を使用すると、手術部位への過度な負担を避けられます。

痛みによって治療を中断するなど、インプラント体が骨と結合する工程を妨げずに済みます。

また、手術部位の保護にもつながり、外部からの刺激を軽減できるほか、治療後の痛みを和らげる効果も期待できるでしょう。

仮歯や入れ歯に強い力をかけない

インプラントの治療中に使用する仮歯や入れ歯は、あくまで一時的なものです。

したがって、強い咬合力に耐えるようには作られていません。

硬い食べ物を無理に噛んだり、仮歯や入れ歯で無理な力をかけたりすると、破損するだけでなく、インプラント体に過度な負担がかかって骨との結合を妨げる可能性があります。

食事をする際は、仮歯や入れ歯がある部位に強い力をかけないよう注意してください。

粘着性の高い食べ物を避ける

キャラメルや餅、ガムなど、粘着性の高い食べ物は、仮歯や入れ歯に付着しやすいため、装着中は避けるべき食べ物です。

仮歯や入れ歯で粘着性の高い食べ物を食べてしまうと、外れてしまったり破損の原因となったりする可能性があります。

また、インプラント手術部位に食べ物が挟まり、炎症を引き起こすリスクもあるでしょう。

そのため、治療期間中は、粘着性の高い食べ物を避けるようにしてください。食事の際は食べ物を小さく切るなど、工夫しながら食べることも大切です。

口内を清潔に保つ

インプラント手術部位は、想像以上にデリケートです。

感染のリスクを避けるためにも、口腔内を常に清潔に保つ必要があります。

特に仮歯や入れ歯は、汚れがつきやすく、細菌の繁殖をうながしてしまいます。細菌が繁殖してしまった場合、手術部位が炎症するなどのリスクが発生するでしょう。

しかし、手術部位を刺激しすぎないよう、慎重に歯磨きを行わなければいけません。強い刺激を与えないよう、やさしく丁寧に磨いてください。

歯科医師や歯科衛生士から指示された適切な方法や、うがい薬の使用方法を守りましょう。

また、定期的な歯科医院でのクリーニングも、感染予防に役立ちます。

Q.歯がない期間に痛みはありますか？

A.インプラントの手術後、一時的に歯がない期間中は、手術部位に多少の痛みや腫れが生じる場合があります。

しかし、これらの症状は、処方された痛み止めでコントロールできる範囲です。数日から1週間程度で治まる傾向にあります。

インプラント体が骨と結合する期間は痛みを伴いませんが、強い痛みや異常な腫れが続く場合は、速やかに歯科医院に連絡してください。

Q.歯がない期間はどれくらいですか？

A.インプラント治療中の歯がない期間は、インプラント体が顎の骨と結合する治癒期間です。

期間は、治療を受ける部位や骨の状態、患者さまの体質によって個人差があります。

一般的には、下顎で2〜3ヶ月、上顎で4〜6ヶ月が目安です。骨造成などの追加手術が必要な場合は、さらに数ヶ月間ほど期間が延びる可能性があります。

正確な期間については、担当の歯科医師に確認してください。

Q.治療中の飲酒や喫煙は控えるべきですか？

A.インプラント治療中は、飲酒や喫煙を控えるべきです。

飲酒は血行を促進し、手術後の出血や腫れを悪化させる可能性があります。喫煙は血流を悪化させ、骨の再生能力を低下させるため、インプラントと骨の結合（オッセオインテグレーション）を妨げやすいです。

また、感染のリスクを高める可能性もあります。

治療の成功率を高めるためにも、治療期間中は禁酒・禁煙を心がけましょう。

Q.歯がない期間はどのような口腔ケアをすればいいですか？

A.歯がない期間の口腔ケアは、手術部位の感染予防と口腔内全体の清潔維持が欠かせません。

手術直後は治療した部位を刺激しないように注意しながら、他の歯は通常の歯磨きで丁寧に磨きましょう。

手術部位は、歯科医師から指示されたうがい薬を使用するか、柔らかい歯ブラシで優しく清掃します。仮歯や入れ歯を使用している場合は、毎日清潔に保つようにしてください。

具体的なケアは、担当の歯科医師や歯科衛生士の指導に従いましょう。